ヨガ八支則 2段階目ニヤマの規則「タパス」
ヨガ八支則 2段階目ニヤマの規則「タパス」
八支則の「ニヤマ」は「個人的に、守るべき規則」で、その3つ目が「タパス」。
タパスは「苦行」や「修行」という意味です。
修行と聞くと、滝に打たれたり、ずっと座禅をし続けたり、断食したりといったことを想像しますよね。
ああいった修行は、「苦しみや辛さを乗り越える」ためにするのです。
でも、「タパス」は滝に打たれなさい、と言っているわけではありません。
「ヤマ(社会的にしてはいけない規則)」でお話ししたことを思い出してみてください。
「ヤマ」には嘘をつかないことや、清潔でいること、人に暴力を振るわないことなどがありました。これらの規則を守ろうとすると、痛みが伴います。
例えば、あなたが寝坊して、学校や会社に遅刻したとします。当然、先生や上司は怒ります。
遅刻の理由を聞かれたあなたは、寝坊したと言うともっと怒られると思い、「電車が遅れてしまって……」と嘘をついてしまいました。
先生や上司は「なんだ。それなら、しょうがないね」と怒りを鎮め、あなたは助かります。あなたは怒られるという辛い時間を避けたかった。早くその苦痛から解放されたい、と楽なほうを選んだから、嘘をついたのです。
人間はつい楽なほうを選ぼうとします。私たちの「心」が楽なほう、楽なほうへと引きつけられていくのは仕方がないことなのです。
もし、正直に「夜更かしして、寝坊しました」と言っていたらどうなるでしょう?
「たるんでる!」と先生や上司に怒られる。信頼を失うかもしれない。あなたにとって、すごく辛い時間です。
でも、敢えて辛い道を選んだあなたは、怒られる苦しみや信頼を失う辛さを知るのです。知ったからこそ、次に同じ失敗を繰り返さないためにはどうするか、を考えると思います。
きちんと目覚ましをかけて、夜は早く寝る――そういう努力をするのではないでしょうか。
ところが、遅刻して電車のせいにしたあなたは、先生や上司にも怒られなくて「ああ、よかった」と安心します。だから、次に遅刻したときも「すみません、電車が……」と言ってお説教から逃れようとします。
これを繰り返していると、先生や上司もあなたの嘘に気が付きます。
「あなたはどんな電車に乗っているの! そんなに遅れるわけがないでしょう!」と怒られるだけではなく、(この人は嘘つきだし、時間にルーズな人だ)と思われ、結局、正直に言ったとき以上に辛い状況に陥ってしまいます。
最初に正直に理由を言って、怒られ、信用を失う辛さに向き合っていれば、(この人は今日は遅刻したけど、正直な人だな)と思われたでしょう。
さらに、その後もあなたが遅刻しなければ、(遅刻しないように努力しているな)と認めてもらえたかもしれません。
痛みや苦しみを選ぶことであなたは成長し、一瞬の幸せや安心ではなく、その先にずっと残る幸せを勝ち取ることができるのです。
それが八支則で「タパス(苦行、修行)」を勧められる理由です。
滝に打たれなくても、あなたが修行すること――乗り越えるべき苦しみや痛みは日常にいくつもあります。
あなたがもし、今すごく幸せだと思っているなら、変化は望みませんよね? この幸せが変わってほしくない、と思うはずです。
反対に、あなたが痛みや苦しみを感じているなら、すぐに状況を変えたいと思うでしょう。
でも、【痛みや苦しみに直面するたびに逃げ続けるわけにはいかない】のです。
辛いとわかっていても、楽ではない道を選んでみてください。
目の前の辛さや苦しみを一つずつ乗り越えていけば、生きていることを実感するのではないでしょうか?
「タパス(修行)」は、ヨギー以外の人にもとても大事なことなのです。
yogi vini
いつも、ビニ先生のブログを楽しみにしています。
生活において、自分自身のことや家族のことそしてなにより、子供のことなど色々と迷うこと、悩むこと、辛いこと、絶望感に陥いることなどあり、自分の行動に自信がもてなくなることもあります。心を楽にしたいと思うことがあり、自分自身だけでなく、ヨガを通じてに実りある日常を送ってもらうお手伝いができたらと思い、ヨガを始めようと思ったきっかけの1つです。
そんな時にビニ先生のお話しを読み心が落ち着いたり、気付かされたりしています。いつも、失敗の繰り返しですが、ときよりブログを読み返し自分を取り戻したいと思います。
これから、はじまるttcとても楽しみしています。
いつも読んでくださりありがとうございます。体は練習を重ねて鍛えて強くなるもの。でも心を鍛えるにはみなさんの心を強くしようとして覆っていた殻を取り除くことから始まります。失敗を恐れる必要はありません。失敗から学べばその瞬間にもう失敗ではないのですから。